当該地域において取り組みを進める意義
保育士・介護福祉士オーストラリア留学推進必要性
1.拡大・深化する日豪関係
豪州は世界第12位(2022年、財務省及び世銀調べ)の経済大国であり、2015年の日豪EPA発効後は貿易・投資のみならず観光・教育を含む人的交流が拡大しており、コロナ禍を除き日本からの留学生も1.2万人前後に増加している。
豪州においては、人口増加による保育ニーズと長寿化による介護ニーズが高まる中、両分野を支える人材育成の体制が整っている。
一方、少子高齢化に直面する我が国においては、両分野における人材確保、さらに急速なグローバル化を見据えて英語を解する人材のニーズは高まることが想定される。
したがって、英語圏で専門教育を受けた人材の活躍の場は広がることが想定され、日豪間の相互補完関係は、保育・介護福祉の分野においても期待されるところである。
2.豪州における専門人材育成の特徴
英語圏の多民族・多文化国家である豪州では、市場ニーズに適合した専門知識・実践的なスキルを修得できる高度な職業訓練の制度が整っており、留学生を対象とした様々な専門コース、英語コースがある。
特に豪州の公立の職業専門学校TAFE (Technical and Further Education)に加えて、私立の専門学校が多数あり、日本からの留学生も増加傾向にある。
即戦力として働ける人材育成を目的としているため、産業界と連携した実習制度も充実している点が特徴である。
3. 日本教育において保育士・介護福祉士養成校の留学プログラムが少ない
日本における保育士・介護福祉士養成校の多くは、国家資格取得に向けた専門的なカリキュラムを2年間で学ぶため、他の科目を学ぶ余裕がないのが現状である。
その結果、保育士・介護福祉のグローバル人材育成を実施している学校は少なく、国際的な対応力が不足している。
また、近年では外国籍の園児や利用者が増加しており、本学園が運営するこども園においても園児や保護者とのコミュニケーションの課題が顕在化している。
言語の壁によって保育士や介護福祉士が十分なサポートを提供できない場面が増えており、これがサービスの質を低下させるリスクとなっている。
そこで本事業では、英語力を高め、グローバルな保育士・介護福祉士の人材育成を強化するためのカリキュラムを構築する。
これにより、保育・介護の質を向上させ、グローバルな視野を持つ人材を育成することができる。
4.留学生にとって国際的視野と専門性を高められる教育・実習環境
豪州は多文化社会として認知され、保育や介護の分野でも高水準の教育とサービスが提供されていることから、保育士および介護福祉士の国際的な視野と専門性を高める豪州への留学促進事業は、日本の保育および介護の質を向上させるための重要な取り組みと考える。
<豪州留学促進の特徴>
〇治安が良く、留学生の安全が法的に守られ、安心して留学生活を送ることが出来る。
〇世界的にも教育水準が高く、とりわけ専門教育・資格制度も充実しており、資格取得後の就職が容易である。(一般に資格取得に渡豪が必須。)
〇就労可能な留学制度を有し、留学生活を経済的に安定させることが出来る。(一般に留学ビザは就労を禁じている国が多い。)
〇世界200か国以上の人々が共生するため、グローバル化時代に求められる「異文化理解力」を身に着けられる最高の環境である。
〇日本との時差が小さいため、現地からのオンライン学習も可能で、留学前から英語力を高め、留学中の学習理解を促すような効果的な予習ができる。
5.国際的なベストプラクティスの学習
豪州の保育および介護システムは、世界でも高く評価されており、以下のような先進的な取り組みが行われている。
【保育士】
子どもの成長発達に応じたケアと教育を提供するための高度なカリキュラムと評価基準が整っており、留学生は最新の教育理論と実践を学ぶことができる。豪州の早期教育カリキュラムEYLF(Early Years LearningFramework)は、子どもの学習と発達を促進する包括的なフレームワークであり、世界的に評価されている。研究によれば、EYLFを使用した教育プログラムは子どもの社会的、感情的発達を促進する効果が確認されている。
【介護福祉】
高齢者や障がい者に対するケアの質を確保するために、オーストラリアでは包括的なケアプランと利用者中心のアプローチが導入されている。これにより、留学生は質の高いケアの提供方法を学ぶことがでる。高齢者ケアにおける利用者中心のアプローチは、利用者の満足度と生活の質を向上させることが多くの研究で示されている。例えば、オーストラリアの介護施設における研究では、利用者中心のケアが利用者の精神的および身体的健康にポジティブな影響を与えることが報告されている。
6.英語で専門教育を学び、日本の社会的・地域的ニーズに応える人材供給を実現
〇留学生は先進的な知識と技術を学び、日本の現場に応用することができる。
〇本学園は、沖縄県の人材ニーズに応じた保育士・介護福祉士の専門教育を提供してきた。しかし、「英語で学ぶ」機会の提供は限定的であった。一方、豪州にて教育事業を展開するグローバルスカイ株式会社及びその提携校においては、近年、個人ベースでの専門留学や実習受け入れが拡大している。これにより、両者が連携することで、保育士・介護福祉士のグローバル人材育成に向けた取組が可能となる。
〇我が国においては、英語科を設けて英語力の向上を図る専門学校や国際コースを設置して海外留学(主に短期)を含むカリキュラムを提供する学校は複数あるが、両国における資格取得に加えて、就職まで一気通貫でサポートするコースや学科は少なく新規性が高い。(本学園調べ)
〇沖縄県だけでなく福生/横田、岩国、横須賀など在留外国人の多い地域における水平展開の可能性を模索する。
〇バイリンガル・マルチリンガルの保育士・介護福祉士の求人数は増加傾向にあり、その給与水準もやや高めである。(本学園調べ)
実施する取り組みの具体的内容
概要
道筋と差別化のポイント
留学に必要な英語力を習得 留学・豪州資格取得
渡航前に一定の英語力(IELTSスコア5.5以上)あり、留学先及び実習先が決まっている。




帰国後の就職先に目処があり、帰国後のインターバルが短い。
就職・キャリア支援
保育・介護福祉業界に就職

バイリンガル・マルチリンガルのグローバル人材
保育・介護福祉の分野において、英語・異文化を解する人材を育成するべく、日本人・外国人留学生を対象に、日本と英語圏における資格の両方を取得して、バイリンガル・マルチリンガル保育士・介護福祉士として活躍できる道筋を構築する。業界全体の大きな課題として、そもそもの保育・介護士を目指す学生の確保があるものの、豪州留学を通して、日本人はバイリンガル、留学生はマルチリンガル保育士・介護福祉士として活躍できる可能性を示し、本学園在学中に英語力を高めることで留学費用と時間の節約を実現(豪州留学に必要なIELTSスコア5.5以上)、留学前・中・後の手厚いサポート体制の構築、特に留学後の就職不安がないキャリア支援体制が解決策となる。
留学の障壁と解決策
(1)英語力の不足⇒ 渡航前に豪州留学に必要な英語力(IELTSスコア5.5以上)を習得するプログラム提供。
(2)留学先の不案内⇒ 提携校設置により本学園在学中から進学先を決定。
(3)実習先の不案内⇒ 一般に学生自ら実習先を探す必要があるが、本学園及びグローバルスカイ株式会社(とその豪州法人)が実習受入先を確保。
(4)留学中の不安⇒ 手厚い支援体制を本学園・提携校・グローバルスカイ株式会社・実習受入先で整備。
(5)就職先の不安⇒ 本学園の就職担当部署が留学後の就職先を支援。
沖縄県を含む日本の保育士および介護福祉士における課題と豪州留学を通じた対応策
(1)国際的な視野や専門性の不足⇒ 豪州の高水準の教育とサービスを活用し、国際的視野と専門性を高める。
(2)異文化理解の不足⇒ 豪州の多文化社会における留学生活を通じて、異文化理解を深める。
(3)実践的な英語スキルの不足⇒ オンライン学習およびオンデマンド学習プログラムを導入し、留学前から実践的な英語スキルを習得。
(4)外国籍の子どもや高齢者とのコミュニケーションの困難⇒ 留学により逆の立場を体験、現地での生活・学習支援体制を整える。
具体的な取り組み
留学前(2年間)
留学中(約1年間)
帰国後
- 留学コース設置(仮称)
- こども未来学科
- ヒューマン介護福祉科
- 留学前のプログラムの受講(在学生・卒業生)
- 2週間の短期留学プログラム参加
- 留学に必要な英語力(IELTSスコア5.5以上)
- 留学準備(連携校の学校選択等も含む)
- 豪州提携校入学(拡大予定)
- 保育士免許取得者
- 介護福祉資格取得者
- 専門コース受講
- 豪州資格CertificateⅢ取得者
- 卒業生の就職支援・就職先推薦枠の獲得
- 保育士免許&Cert Ⅲ取得者
- 介護福祉資格&Cert Ⅲ取得者
- 就職活動
(本学園キャリコンサルタントによる)

- 英語スキル
- 留学生支援
- 豪州政府・州政府調整
- 提携校設置拡大支援
- 教育実習先提供
- 卒業生の積極採用

- 外部評価
- 卒業生の積極採用
内 容
- (1)事業実施体制の構築
- プロジェクトチームの編成
学校法人大庭学園を中心に、沖縄県及び豪州の教育機関、留学支援企業等でチームを編成。豪州の教育機関との連絡・調整をグローバルスカイ株式会社(教育コンサルティング企業。傘下に豪州にて保育事業会社グローバルスカイ・エデュケーションを有する)、を中心に、主要教育機関と連絡を取り、協力体制を構築。
- (2)事例調査やニーズ調査
- 豪州の保育・介護分野の調査
現地の教育機関を訪問し、現状とニーズを調査。 - 学生や現地教育機関のニーズ把握
アンケートやヒアリングを実施し、具体的なニーズを明確化。 - 保育・介護事業者のグローバル人材のニーズ把握
アンケートやヒアリングを実施し、ニーズと就職支援策を明確化。
- (3)留学前プログラムの開発
- 留学に興味がある在学生及び本学卒業生に募集を行う。
留学に向けた英語力スキル向上のカリキュラムを週に数回の英語授業、現地オンライン英会話、オンデマンド学習教材などを提供。 - カリキュラム開発
オーストラリアの教育機関と共同でカリキュラムを作成し、各学科の専門家と協力し、実践的なカリキュラムを開発。 - シラバスやコマシラバスの作成
詳細な授業計画を作成し、学生に提供。
- (4)教材開発と実証授業の実施
- オンライン学習及びLMS学習システムの教材開発
動画講義、課題、評価システムを整備。 - 実証授業を通じて効果の検証
パイロットプログラムを実施し、フィードバックを収集。
カリキュラム案
目的 | 実施内容 | 実施形式 | 主たる教材提供者 | |
---|---|---|---|---|
1 | 基礎英語スキルの強化 | 一般英会話講座の受講。ゼロから英語~トラベル英話、ビジネス英会話など幅広く網羅。 | オンライン(自習形式)LMSシステム | グローバルスカイ株式会社 |
2 | 実践的英会話 | 保育・介護福祉分野の実践的英会話講座の受講。留学生活におけるシーン別のロールプレイ実施。 | 教室・オンラインのハイブリッド(グループワーク) | 日豪協働で開発する教材使用 |
3 | 専門用語の習得 | Childcare Cert3もしくはAged Care Cert3の用語集。 | オンライン(自習形式) | グローバルスカイ株式会社 |
4 | 留学に必要な英語スキル(IELTSスコア5.5以上) | IELTS試験対策講座(4技能)の受講。 | 教室・オンラインのハイブリッド(自習・グループ) | グローバルスカイ株式会社 |
5 | IELTS模擬試験 | IELTS試験センターと同じ環境での模擬試験。 | コンピューター試験、スピーキングテストは対面 | グローバルスカイ株式会社 |
6 | 留学準備 | 留学生活準備、異文化理解、コミュニケーション、チームビルディング、キャリアデザイン講座の受講。 | 教室(グループワーク) | グローバルスカイ株式会社 |
7 | 専門留学予習 | 保育・介護福祉分野の専門留学にあたり、日本語による予習講座を受講。 | 教室・オンラインのハイブリッド(自習・グループ) | 日豪協働で開発する教材使用 |
【留学前】
本学園在学中の2年間にわたり受講・留学準備を実施。日豪協働で開発する教材は、教室・オンラインのハイブリッド型であり、適宜、豪州からグローバルスカイ株式会社及び提携校の教員がライブ講義を行うことも想定。
【留学中】
豪州教育機関へのCertificate III(保育士又は介護福祉士)資格取得に向けた留学。必要に応じた補講の実施(オンラインで日本から実施可能)、グローバルスカイ株式会社直営センターとその提携校が提供する豪州における実習。
【留学後】
当学園、京進、グローバルスカイ株式会社が留学帰国生に対して、留学経験を活かせる就職、キャリア支援・就職斡旋を行う。
具体的には、沖縄県内の各施設、京進の各施設、グローバルスカイ株式会社直営センター及び顧客の全国のインターナショナルスクールへの就職。
KPI
日本人留学生数の増加
3 年目:3人 4年目:5人
※1年目および2年目は留学前プログラムのため、人数に含まない。
豪州提携協約の締結数
1 年目:2件 2年目:4件
3 年目以降:6件
学生の満足度
満足度80%以上を目指す
英語スキルの向上
IELTS スコアー5.5以上
※豪州の学校入学基準
連携機関及び各機関の役割・協力事項
[ 小計及び合計]
教育機関6機関/企業数 2機関/業界団体機関/
行政機関2機関/その他 機関| 合計10機関
機関名 | 役割・協力事項 | 内諾 |
---|---|---|
学校法人大庭学園 | 事業統括 | 〇 |
沖縄福祉保育専門学校 | カリキュラム開発・留学前プログラム等 | 〇 |
ソーシャルワーク専門学校 | カリキュラム開発 | 〇 |
Imagine Education(豪州教育機関) | カリキュラム開発・留学先等 | 〇 |
Charlton Brown/NIET Group (豪州教育機関) |
カリキュラム開発・留学先等 | 〇 |
TAFE Queensland(豪州教育機関) | カリキュラム開発・留学先等 | 〇 |
グローバルスカイ株式会社(豪州協力企業) | カリキュラム開発 提携校設置拡大 留学生支援 卒業生の採用等 |
〇 |
株式会社京進 | 外部評価 卒業生の採用等 |
〇 |
Study Australia/オーストラリア大使館 | 提携校設置拡大 | 〇 |
Study Queensland/クィーンズランド州政府 | 提携校設置拡大 | 〇 |